前みたいな更新速度は無理ですが、よろしくお付き合い下さいませ(’’
天地(ここ)に、安全な場所など存在しない
そう言ったのは、一体誰だっただろうか。
地上へと落ちていく中、赤毛の男はボーっとした頭でそう思った。
腕の中には、もう直ぐ10歳になるはずの少年がボロボロの姿で眠っている。
服は裂け、全身血だらけだが、この子供がまだしっかりと息をしている音を聞いて男はふぅ、と息を吐く。
――大丈夫、己の天珠(チカラ)があれば、このまま落ちても何とかなる・・・・・・
そう思った瞬間、ふと違和感に気づいた。
・・・・・・己の腕が、どんどん透けていく。
それに気づいて、男は悔しそうに目を細めた。
きっともう、二人は消えてしまっただろう。
自分も同じ運命を辿るだろう事は、彼には分かっていた。
そしてなんとなく、この先の事も分かった。
それが悲しかった。
――あぁ・・・・・・お前に、全部押し付けないといけないのか・・・・・・
自分が消えても、この子は助かるだろうか?
この子は、自分達の作った罪の重さに押しつぶされないだろうか?
そんな言葉が、次々に浮かんで消えた。
――空が、赤いな・・・・・・
足元に見える空を最後に、男の意識は闇へと落ちていった。
そしてこの日、ひとつの天地(まち)が、姿を消した
* * *
「――あぁ、」
少年が一枚の届いた紙を見て、疲れたように息を吐く。
嫌な予感はしていたが、とうとうそれが現実のものとなってしまったらしい。
「何だよ・・・。俺、“普通”なのに」
色素の薄い瞳が、悔しさで細められた。
持つ手が震えて、紙に皺が寄る。
「ちくしょう、ちくしょう・・・・・・」
壁に背を預け、ずるずると座り込む。
『スーノルド学園』
そう書かれた紙を見つめて少年―――カイレイン・セーシェランドは、その監獄行きのチケットをいつまでも握り締めていた。
*幻時夢想話*
千年前、突如現れた『地腫』と呼ばれる病気が発生し、動物が突然変異を起こした。
感染したものは体が変異し、凶暴化、無差別に人間を襲い始めた。
その病気は人間にも猛威をふるい、当時の半数の人間が異形と化した。
人間はその時に発見、研究されていた「浮遊石」を使い、天上へと逃げる事でその病魔から逃れた。
そして天上で過ごす事二百年。
即ち八百年前にその中で更に新たな人類が誕生した。
『天珠』と呼ばれるそれを体内に持つ彼らは新たな力を持ち、地上に跋扈する地腫獣達に対抗する力を得た。
人間達は大地を取り戻すために天珠を研究し現在、未だに地上の争奪戦をしている。
―――その天珠を持つ人間の研究機関と育成機関の一つが『スーノルド学園』。
文字通り、エリートが通う学校だった。
そしてカイレインは現在、その学校の校長室で一人待たされている。
「何で俺、こんな所に居るんだろ・・・・・・」
呟く声に答えてくれる人間は、誰も居ない。
カチカチと鳴る時計の音が、余計にカイレインの神経を苛立たせた。
「待たせたね」
そう言って一人の男が校長室に入ってきた。
ドナウ・レニー校長。
まだ三十に行くか行かないかの若さを持つ彼は、カイレインの前に座り、含みのある笑みを浮かべた。
「セーシェランド君。君にはA-8のクラスに入ってもらう」
そう言って、バッジと封筒をカイレインの前に置いた。
「君は途中入学だからね。何かと大変だろうが、頑張ってくれたまえ」
「・・・・・・」
俯いたまま、返事はしない。
それがカイレインに出来る最後の抵抗だった。
しかしドナウはそれに気を悪くするでも無く、ただ笑うだけだった。
「何だ? 何か不安な事でもあるのか。安心しろ、ここはペア制でね。必ず決まった相手と行動してもらう。君の相手は既に決まっているから、そいつに色々聞くといい」
その言葉にも返事をしない。
彼にとってこの学校に居る事自体、安心できる要素など一つも無かった。
カイレインの様子に更に笑みを深くすると、ドナウは軽く手を振った。
「もういい、行きなさい。詳しい事はその封筒の紙に全て書かれてある。今日の授業は出なくていい。荷物は既に部屋に置いてあるから、今日中に片付けを済ませておきなさい。・・・あぁ、バッジはちゃんと制服につけておくようにしなさい。この学園の生徒であるという証明書のようなものだからね」
カイレインはその言葉を聞いて一礼し、バッジと封筒を持って校長室から出た。
自然と出た溜息は、更に体を重くさせた。
「・・・・・・何で俺、こんな所に居るんだろ」
既に三十回は言ったであろう言葉をもう一度繰り返し、カイレインは寮への長い道を力無く歩いていった。
→
というわけで、早速書きました(’’
前と違所は最初に新しい文が引っ付いていますね(’’
後は微妙に色々違う。
あんまり変わってないけど(’’
こんな感じで進んでいきます。
・・・・・・とりあえず、今度こそ浮気しないで頑張るぞ!(力みすぎも良くないよ瑪瑙さん

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